健康診断で”脂質異常症”を指摘されていませんか?
脂質異常症(リポたんぱく異常症)は、血液中の脂質(コレステロールや中性脂肪)のバランスが崩れた状態を指します。具体的には、
• LDLコレステロール(悪玉コレステロール)が高い
• HDLコレステロール(善玉コレステロール)が低い
• 中性脂肪が高い
のいずれか、または複数が当てはまる場合に診断されます。
なぜ脂質異常症が問題なのか?
LDLが増えると、血管壁にコレステロールが蓄積し、動脈硬化が進行。結果として 心筋梗塞や脳梗塞のリスク が高まります。また、中性脂肪が高いと 急性膵炎 を引き起こすこともあります。
原因
• 食生活の乱れ(脂質・糖質・アルコールの過剰摂取)
• 運動不足
• 遺伝的要因
• 糖尿病や甲状腺機能低下症 などの基礎疾患
治療と予防
1. 食事療法
• 日本動脈硬化学会では「The Japan Diet」を推奨しています。(詳しくはホームページをご参照ください。)
• 肉の脂身・加工食品・菓子類・アルコールを控える、魚、大豆製品、緑黄色野菜、食物繊維をしっかりとる
• 精製された穀物を減らし、雑穀や未精製穀物を増やす
• 減塩を心がける
2. 運動療法
• 1日30分以上の有酸素運動(ウォーキング、ジョギングなど)
• 週2~3回の筋トレ
3. 薬物療法(必要に応じて)
• スタチン系(LDLコレステロールを下げる)
• フィブラート系(中性脂肪を下げる)
• EPA・DHA(動脈硬化を防ぐ)
糖尿病との関係
糖尿病がある人は、中性脂肪が高く、HDLコレステロールが低い傾向 があります。インスリンの作用不足がリポたんぱくのバランスを崩し、動脈硬化のリスクをさらに高めます。そのため、糖尿病がある人はより厳格な管理が必要です。
脂質異常症は自覚症状がないため、定期的な血液検査 で早めにリスクを把握し、生活習慣を改善することが重要です。
参考
さかえ 2025年2月号
日本動脈硬化学会ホームページ