糖尿病に対する偏見のない社会へ
[2025.05.02]
皆さんは”スティグマ"という言葉を聞いたことはありますでしょうか。現在、糖尿病ケアに関してこの”スティグマ”は非常に重要な課題として挙げられています。
1. 糖尿病のスティグマとは?
糖尿病のスティグマとは、糖尿病患者に対して「自己管理ができていない」「不健康な生活習慣が原因」などの否定的なイメージを持つことや、それによって患者が社会的・心理的な不利益を被ることを指します。
2. 主な問題点
(1) 心理的負担と自己評価の低下
- 糖尿病の患者さんは、周囲の人々から「自分の責任で病気になった」と思われることを恐れ、罪悪感や恥ずかしさを感じることがあります。
- これにより、自己評価が低下し、抑うつや不安などの精神的な問題を引き起こすことがあります。
(2) 治療やサポートの妨げ
- スティグマを恐れて、症状を隠したり、医療機関への受診を遅らせたりすることがあります。
- また、治療の必要性を軽視されることで、適切なサポートを得られない場合があります。
(3) 社会的な孤立
- 偏見により、仕事や学校で不公平な扱いを受けることがあります。
- 周囲に病気を知られるのを避けるために、友人や家族との交流を制限し、孤立を深めることもあります。
3. スティグマを取り除くためにできること
(1) 教育と啓発
- 糖尿病が複雑な要因(遺伝的要因や環境要因など)で発症することを広く伝える。
- 患者さんの努力や日々の管理の重要性を理解してもらう。
(2) 患者の声を尊重する
- 患者が自分の体験を語れる場を作り、社会の偏見を軽減する。
- 患者同士のサポートグループを活用し、孤独感を軽減する。
(3) 医療従事者の役割
- 医療従事者自身が偏見を持たないよう意識し、患者の気持ちに寄り添ったケアを提供する。
- ポジティブなフィードバックを通じて患者の自信を高める。
4. 最終的な目標
糖尿病に関する正しい知識を普及させ、患者さんが偏見や差別に苦しむことなく、適切な治療とサポートを受けられる社会を目指すことが重要です。糖尿病は「個人の責任」ではなく、「共に向き合うべき病気」であるという認識を広めていきましょう。
詳細につきましては糖尿病ネットワークもご参照ください。